中野区の補助220号線・補助227号線・補助228号線は、いずれも東京都の優先整備路線に含まれる区部の都市計画道路です。このうち補助220号線(区-27:補助71〜補助74、760m)と補助227号線(区-28:妙正寺川〜補助76、940m)は「強靭化・安全・まち」を選定理由に掲げており、老朽木造住宅が密集する地域の防災対策として位置づけられています。
中野区の特定整備路線が抱える課題
中野区は2000年代以降、再開発によって駅周辺の近代化が進んだ一方、少し離れた住宅地には依然として老朽木造建築が密集するエリアが残っています。補助220・227号線が通過する沿線もその一つで、緊急車両の進入が困難な狭い路地が多く、防災上の脆弱性が指摘されています。
都が「機動取得推進課」で用地取得を加速
2024年度から東京都建設局用地部に新設された「機動取得推進課」(63人体制)は、停滞している用地取得を集中的に推進するための組織です。中野区内の路線も対象に含まれており、これまで反対運動や交渉難航によって遅れていた用地交渉が新局面を迎えつつあります。
こうした行政側の動きに対して、日本共産党の曽根はじめ都議(当時)は「一点突破主義」と批判しました。数十年単位で停滞してきた事業を前進させるために行政が体制を強化すること自体は不自然ではありませんが、その進め方が個々の地権者への説明や補償交渉において十分丁寧かどうかは、批判が出ている以上、行政側が具体的に説明責任を果たすべき点だろう。
反対運動の構造
中野区内の特定整備路線に関する反対活動は、区議会での質問、住民集会、署名活動、場合によっては行政訴訟という形で展開されてきた。参加者の中には日本共産党系の地域団体と連携するケースもあるが、それとは別に、単純に長年住んだ土地を離れたくないという個人の事情や、道路の必要性そのものに疑問を持つ住民の声も含まれている。反対理由や参加者の背景は一様ではなく、「反対運動=特定の政治勢力の動員」と単純化するのは実態を見誤る。
補助220号線延伸後に見込まれる効果
補助220号線が整備されると、妙正寺川沿いの地域から補助74号線方向へのアクセスが改善し、消防車・救急車の到達時間短縮が見込まれる。歩道が確保されることで、子どもや高齢者が安全に歩ける環境が生まれるというのが行政側の説明だ。この防災・安全上のメリットは具体的で、反対する側もこの点への対案(なぜ現状のままでよいのか、あるいは別の手段で同等の安全性を確保できるのか)を示す必要がある。
まとめ
中野区の優先整備路線は、防災・安全の観点から整備の必要性が説明されている路線です。反対運動が一定の摩擦を生んでいる一方、行政側にも地権者への丁寧な説明という宿題が残っています。機動取得推進課の動向と用地取得の進捗、そして双方の主張の中身を、今後も継続してウォッチしていきます。