この道路、何がどうなってるの?
放射35号線は、練馬区豊玉中二丁目から板橋区新河岸三丁目に至る、延長約8,460mの都市計画道路です。優先整備路線リストには「環状7〜放射36」の区間(練馬区、2,780m)が入っています。川越街道との交差点(練馬区北町3)より北側は、すでに1995年から新大宮バイパスの一部として使われています。
隣接する放射36号線(豊島区要町一丁目〜練馬区平和台三丁目、延長約4,270m)とセットで、現在の要町通りを延伸し新大宮バイパスに接続する事業が進められています。
進捗:平和台トンネルが開通
練馬区北町から環八の平和台駅前交差点を経て早宮に至る区間は、2004年(平成16年)12月に事業認可を受け、東京都が整備を進めてきました。用地取得は大半が完了し、先行してモデル車道・歩道・自転車専用道路の一部が完成しています。
大きな節目となったのが、2024年2月24日の平和台トンネル開通です。環状八号線の平和台駅前交差点をくぐる地下通路(トンネル)で、開通に先立ちプレイベントも開かれました。この工事に伴い、それまで用地を暫定利用していた有料駐輪場・駐車場は2012年末までに大半が閉鎖されています。
2025年時点でも、排水管の設置やメトロ関連工事など、周辺整備が継続中です。
反対運動より「協働まちづくり」が目立つケース
これまで扱ってきた路線の多くは反対運動や訴訟が主な論点でしたが、放射35号線・36号線については、公開情報を見る限り大規模な反対運動の記録は見当たりません。
代わりに目立つのは、練馬区が2014年に策定した「放射35号線周辺(平和台・早宮・北町)地区まちづくり計画」を軸にした、住民参加型の地区計画づくりです。「放射35号線沿道周辺北町地区」「平和台駅周辺地区」それぞれで住民主体の地区計画検討会が設立され、みどりの保全や防災性向上について検討を重ねた上で、平和台駅東地区・放射35号線北町地区・早宮二丁目南地区の地区計画が段階的に決定されてきました。
道路整備そのものへの反対ではなく、「整備されるなら、沿道の街並みをどう作るか」という前向きな協議に住民のエネルギーが向いているのが、この路線の特徴と言えます。
何が問題なのか
1. 反対運動がなくても事業認可から20年単位の時間がかかる 2004年の事業認可から2024年のトンネル開通まで、実に20年です。補助26号線目黒中央町区間のケースと同様、大きな対立がなくても都市計画道路整備には長い年月がかかるという構造は、ここでも見て取れます。
2. 「協働まちづくり」モデルの評価 地区計画検討会という形で住民が計画づくりに参加する仕組みは、対立を避けつつ地域の実情を反映させる手法として評価できます。他の反対運動が続く路線でも、早い段階からこうした協働の枠組みを用意できていれば、対立の先鋭化を防げた可能性はあります。ただし、これは道路の必要性そのものに疑問を持つ住民の意見を汲み取る仕組みとは性質が異なる点には注意が必要です。
まとめ
放射35号線・36号線は、平和台トンネルの開通という具体的な成果が出ている路線です。反対運動ではなく住民協働型のまちづくりが進んできた経緯は、他の路線を考える上でも参考になります。残る未開通区間の進捗を、引き続き追っていきます。
参考情報源:東京都建設局公表資料、練馬区公式サイト、Wikipedia「東京都市計画道路幹線街路放射第35号線」、都市開発・都市計画を追う個人ブログ、練馬区議会議員の活動報告等を基に構成しています。