この道路、何がどうなってるの?
補助172号線は、豊島区南池袋一丁目から練馬区谷原一丁目に至る、延長約9.1kmの都市計画道路です。都市計画決定は1964年(昭和39年)と古く、池袋副都心と環状6号線(山手通り)とのアクセス強化が目的とされています。
優先整備路線リストには、練馬区早宮三・四丁目区間(1,450m、環状7号線〜早三東通り)が入っています。
ルート上に何があるか
地元区議のレポートによれば、この道路は東の豊島区池袋を起点に、長崎・旭丘・江古田北口の商店街を通り、桜台の住宅街を分断し、練馬総合運動場・早宮・春日町を経て笹目通りにつながる計画です。江古田北口の商店街「ゆうゆうロード」は、計画通りに整備されると幅16mの道路に姿を変えることになります。
2022年時点の報告では、東側の豊島区区間は用地買収が進み、西側は春日町までの区間で事業が完了。早宮の練馬総合運動場手前までは事業認可済みで、練馬総合運動場〜放射35号線(現在の大門通り)の区間が優先整備路線に指定されています。この区間は練馬総合運動場の野球場とグラウンドを分断する形の計画になっているといいます。
反対運動の中身
練馬区議会議員(当時)が2018年に「補助172号線を考える会」を開催するなど、地元では計画への懸念が共有されてきました。主な懸念点は次の通りです。
- 江古田北口の商店街の姿が大きく変わる
- 閑静な住宅街である桜台が道路によって分断される
- 開進第二小・開進第三小の通学路に影響が及ぶ可能性
一方で、練馬区は「今の都市計画道路はすべてつくる」との立場を明言しており、東京都も「必要な道路の見直しは済んでいる」として計画の必要性を維持する姿勢を崩していません。
部分的な動き:再開発方針からの削除
2020年、東京都議会議員(日本共産党・練馬区選出)の報告によれば、練馬区の都市再開発の方針(都市計画変更原案)において、補助172号線が「再開発促進地区」の対象から外れ、方針図から削除されていたことが明らかになりました。
ただしこれは、あくまで再開発方針という一つの計画文書における扱いの変更であり、都市計画道路としての補助172号線そのものが廃止されたわけではありません。実際、2026年の第五次事業化計画時点でも、早宮三・四丁目区間は優先整備路線として引き続き選定されています。この点を「計画が消えた」と早合点しないよう注意が必要です。
何が問題なのか
1. 商店街・住宅街への影響の大きさ 既存の生活道路・商店街を16m道路に変える計画である以上、地域コミュニティへの影響は決して小さくありません。行政側には、なぜこの構造が今も必要なのかを、1964年当時の交通需要ではなく現在の実情に即して説明する責任があります。
2. 通学路への影響という具体的な懸念 子どもの通学路への影響という懸念は、抽象的な「反対のための反対」ではなく具体的な安全上の論点です。行政側が代替の安全対策(通学路変更、信号・横断歩道の増設など)を示せているかどうかが、今後の議論の焦点になるべきでしょう。
3. 「計画は変えない」という硬直的な姿勢の当否 一部の文書から外れたという事実がありながら、計画自体は維持するという都・区の対応は、外部から見ると一貫性に欠ける印象を与えかねません。見直す気がないなら、その理由を明確に説明すべきですし、見直す余地があるなら、その条件を示すべきです。
まとめ
補助172号線・練馬区間は、商店街と住宅街を巻き込む計画への具体的な懸念と、行政側の「計画堅持」姿勢がぶつかり合っている路線です。優先整備路線に選ばれている以上、事業が本格化する前の段階で、双方が具体的な根拠を示した議論を深める必要があります。
参考情報源:Wikipedia「東京都市計画道路幹線街路補助線街路第172号線」、練馬区議会議員・都議会議員の活動報告、東京都建設局公表資料等を基に構成しています。